プリンターで作成する年賀状
年賀状の作成にパソコンがよく使われるようになって結構たちます。
パソコンが使える人なら比較的簡単にフルカラーで年賀状が作成できるのは大きな魅力です。ちょっと前は、自作で色つきの年賀状を量産するためには、プリントごっこがよく使われていましたが、使える色数の問題や、手軽さからプリンターによる印刷にとってかわられてしまいました。かつて一世を風靡したと言っても過言ではないプリントごっこが生産中止となったのは、紛れもなくプリンターで年賀状印刷をする人が急増したからと言えるでしょう。しかし、このプリンターによる年賀状印刷は味気ないとか、手を抜いているととらえられる場合もありますね。
プリンターによる印刷はプリントの段取りだけみれば簡単ですが、その前にデータを作成しなくてはなりません。そこで、どうしてもパソコンがある程度使える必要があります。小学校や中学校からパソコンの授業があり、小さい頃から家にパソコンがあった最近の若い人たちはともかくとして、50代以上くらいの年代にとっては、年賀状を作成するのも結構大変だったりします。
1年間ほとんどパソコンを使わないのに、年賀状の時期だけはパソコンの電源を入れて、やっとの思いで年賀状を作成して、プリントするものの、また、次の年の12月までパソコンを使わないという方も結構いたのではないでしょうか。特にインターネットが今ほど普及する前まではそんな感じの方が多かったように思います。
そんなパソコンに不慣れな人の後押しをしたのが、平成7~8年ごろ、全国の自治体の主催で大規模に行われたIT講習会でした。この講座は、パソコンに不慣れな人のリテラシーを向上させることが目的で政府主導で行われました。これにより、初めてパソコンに触れたという方も多かったと思うのですが、この講座の開催でパソコンが比較的身近になり、パソコンの一般家庭への普及が進んだといってよいと思います。
しかし、一般の家庭にパソコンが普及し始めたとはいえ、もともと生活の中になかった道具ですから、興味を持って買ったとしても、すぐに何かに利用できるわけでもありません。そんなときに、利用しやすかった作業の一つが年賀状作成だったわけです。
そうこうするうちに、プリンターの性能も向上し、写真なども綺麗に印刷できるようになっていきます。そこにデジタルカメラの普及があいまって、写真屋さんに出さなくても家庭で写真つき年賀状が作成できるという魅力からプリンターによる年賀状作成が一気に普及していきました。
一方、郵便局の方でも、当初販売していた普通の年賀状が、プリンターによる印刷にあまり向いていない紙質だったことから、インクジェットプリンター用の年賀はがきを販売するようになりました。はじめは一種類でしたが、平成25年の年賀状などは、2種類のインクジェットプリンター用年賀状が販売されています。
また、これは必ずしもプリンターを使用する人向けというわけではありませんが、年賀切手、それもお年玉抽選番号付きの年賀切手というのも販売されています。インクジェットプリンター用の年賀状とはいっても、写真画質とまではいきません。実際インクジェットプリンターで印刷した結果が気に食わないという話もちらほらですが聞かれます。そんなときには、自分で最適と思う紙にプリントをして、このお年玉抽選番号付きの年賀切手を使用すれば、年賀状の紙質に不満を持つ心配もないというわけです。
このように、年賀状を出す側から出てきたプリンターによる作成のニーズに郵便局が応えることで、より一層インクジェットプリンターによる年賀状作成が多くなってきたわけですが、これからもこの傾向はしばらく続くのでしょうか。
今や年賀状よりも年賀メールという人も増えてきています。ちょっと前には、「プリンターによる年賀状は味気ないので、自筆で一筆添えましょう」と言われていましたが、このままいくと、「年賀メールは味気ないので、年賀状を出しましょう」そして、その(味気なくない)年賀状にはプリンターで印刷したものが含まれる、という状況になっていくのかもしれません。
時代の流れ的には、より簡単で、ローコストになっていくという傾向が強くなれば、年賀のあいさつが年賀状からメールに移行していくのは必然なのかもしれません。
しかし、それでも、私は、年賀状に頑張ってもらいたいですね。パソコンで作成して、プリンターで印刷する年賀状も、色々なことができますから私は結構良いと思いますし、手抜きというわけでもないと思っています。
プリンターでの年賀状印刷は、伝統的な慣習がデジタル化したひとつの象徴のようにも思えますが、年賀状作成の可能性が拡がったものと考えればそう悲観的にとらえる必要もないし、毎年プリンターで印刷された年賀状の中にも、味気なくない年賀状はたくさんあります。そういう意味で、プリンターによる年賀状の作成も、年賀状作成のための選択肢が拡がったものととらえれば、色々な年賀状が生まれる可能性が拡がったものとして歓迎してよいものと言えるのではないでしょうか。
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